2011年8月24日水曜日

日本のルーツ、公害対策のルーツ

土曜日に「先人講座」があり、聞きにいった。知っている内容ではあったが、知らないこともでてきたので面白かった。良く、「地域資源」ということを言われる。住んでいる人は当たり前で気付かないが、地域にはいろいろな資源があって、それを活用した街づくりをしようというものである。
この地域には日本のルーツとも言える5億年前の日本最古の地層が露出している。日本最古といっても見る限りは平凡な古びた岩で何の感動もないので、これだけで街づくりはできない(この岩を使って商店街がマスコットの人形を作った)が、この地域のパワースポットというべき大きな3つの神社はこの5億年前の地層の上に建っている。ほかにも場所はあるのになぜそうなのかは良くわからないが感じるものがあったのかも知れない。
そこにその次の年代の古生層(変成岩)が現れ、日本4大銅山の1つになる。鉱山は電気を必要とし、今なら小水力発電ともいうべき発電所が川に作られる。その建設に招かれたのが後の日本を代表する電機会社を作った方である。それはさておき、鉱山の精錬からでる亜硫酸ガスは当然のことながら公害を引き起こした。
ところが、公害対策の日本のルーツともいえる取り組みがなされたのである。


苦心惨憺して、世界一の大煙突を山の上にたてることにより煙害は激減した。しかし、無くなったわけではなく風向きに寄っては日本有数の葉タバコの生産地に流れた。それを監視ネットワークを作り、流れたのを確認すると生産を落とし、煙の量を減らす対策をした。また、実際の被害が発生する前に補償協定を締結するということなどが行われた。
こうした取組みや、数々の産業遺産は世界に誇れるものであるが、市民の関心は薄く、あまり知られていない。鉱山の芝居小屋だった共楽館(武道場)の補強工事も終わった。5億年前の地層の上に建つ神社の祭礼である風流物は来年大祭を迎える。日本で最初に有形、無形文化財(祇園の山車より早い)となったのに観客動員では何十倍も開いている。街の歴史に物語を感じることができれば街づくりはできると思う。
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